poco a poco

2017.9.26~青年海外協力隊としてザンビアで過ごす2年間の記録。

ザンビアで学んだお米の話

 

 

こんにちは。

 

今日は真面目に稲のお話。

といっても、稲に関しても素人なので、今の活動の備忘録として。

 

 

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ザンビアに来る前は、こんなに稲に関わるなんて思ってもなかった。

技術補完研修でも二本松でも稲についてはちらっとやったけれど、、、。

Nericaか~そういうものもあるんだなあ。

くらいにしか考えてなかった。

完璧他人事!

 

それが今は活動のほとんどが稲になっています。

 

ザンビアの主食はメイズなのに?

「例え米があっても、米をおかずにシマを食べるぜ!」

って言うくらい、ザンビア人シマ大好きなのに?

他の作物だってできるかもしれないのに?

 

なんで稲なんだろう、、、。

 

・メイズや他の作物が育ちにくいダンボ(湿地)を有効活用できる(今のところ失敗)

・メイズよりも高く売れる(実際に調べて数字で示したい)

・種は毎年自分たちで生産できるので買わなくていい(種子が混ざって使えなくなっているところも多い)

...

 

稲にこだわらなくても良いのだろうけど、

一度始めた農家はずっと続けて自分で種子生産できるようになって、今後も続けていきたいと言っているし。

一度やってみたけどあきらめちゃって、でもまた挑戦したいっていう人もいる。

私自身、収穫して販売まで行き着いていないから、米がどれだけお金になるのか、どれだけ農家にプラスになるか何とも言えないけれど。

農家と栽培するのが楽しいので続けています。

 

 

日本では毎日ではないけど、少なくとも週に3回くらいはお米を食べていました。

米の消費量が減っているとはいえ、日本の主食はなんだと言われたら「米をよく食べる」と答えるし、体調崩した時に食べたくなるのはお粥なわけで。

なんだかんだお米は身近にある気がする。

それにもかかわらず、米がどんな風に栽培されていて、口に入るまでにどんな過程があるのかはザンビア来るまで知らなかった。

 

 

なので稲の栽培方法をまとめおきたい(日本とはまた違うけど)。

 

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ザンビアで栽培されている稲は、水稲品種と陸稲品種の2種類。

日本で栽培されているものはほとんどが水稲品種。

意外でしたがザンビアでも水稲品種はよく栽培されています。

 

日本人が米に求めるものって、つや、もちもち感、ねばり、甘味などなど色々あると思います。

こちらの人はいわゆる「香り米」を好みます(タイのジャスミンライスみたいな米)。

炊くときにふわっと香るあれが好きらしい。

そして炊き方も、砂糖を入れてみたり、油を入れたり、日本とは違うようです(油入りが意外とおいしい!)。

普段はシマ(メイズの粉をお湯で練ったもの)を食べているので、米を食べることは少ないです。

任地のレストランではシマのみで、米はありませんが、小さい商店などではタンザニア産などの米が売っています。

都市の大きなスーパーでは、ザンビア産のものもあれば、隣国からの輸入米の他、インド産やタイ産のものもあり、種類も様々です。

 

 

今私たちが栽培しているのは、陸稲品種。

 

Nerica(New rice for Africa ネリカやるまで意味知らなかった!)というアジア稲とアフリカ稲をかけ合せたもので

・乾燥に強い(水が少ないところでも栽培しやすい)

・高収量

・栽培日数が短い(ローカル品種と比較して)

などの特徴があります。

 

このNericaを稲作未経験の数件の農家と女性グループと栽培しています。

 

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写真撮るよ~というとやってる風にポーズを決めてくれる。(実際とても仕事熱心です)

 

栽培方法 圃場準備~種まき

 

 

1.圃場選定と圃場準備

 

陸稲とはいえやはり他の作物よりも水は必要らしく、ダンボと呼ばれる低湿地や水源が近くにある場所が推奨されています。

雨期に一度、ダンボを利用した栽培に取り組んだところ失敗。

古い苗を使ってしまったのと、有機物過剰が原因だったよう。

ダンボでやる場合は一度乾かす必要がありそうです。

 

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ダンボと呼ばれる低湿地。一年中水があるそう。他の作物栽培には使われにくい。

 

雨期は雨水にお任せですが、乾期は全く雨がないので水源が近くにある場所でないと栽培が厳しくなります。

今栽培している農家は、水源が近くにあり水をひけたり、養殖池を持っている人たちです。

 

最初にサイズをはかり、後は鍬一本でひたすら耕します。

ぼうぼうに生えている草を刈り、根っこを掘り返し、土を小さく砕いて、、、。

見るからに大変そうだけど、やってみると数分で息切れします。

 

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養殖池を測る時のやり方を教えてもらった。

 

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曲がらないよう、きっちり90度も確認。



2.種まき

 

圃場の準備が整えば、いよいよ種まきです。

 

種を播く前に、空籾を取り除く作業をします。

水に籾を全部入れてかき混ぜ、少し待つ。

そうすると空籾が上に浮いてくるのでそれは除け、下に沈んでいるものだけを使います。

 

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浮いているのは空籾。

 

ある農家さんでこの作業をやった時、

「前に一度稲をやった時は、これを知らずに全ての籾を使ったんだ。そうしたら発芽が全然よくなくて、収量も思ったほどではなかったから、結局やめちゃったんだよね」

小さいことでも一緒に一個一個やることの大切さを教えてくれた。

 

この作業をしてから種まきにはいります。

推奨されている播き方は、筋播き。

30cm間隔で線を引き、その線に沿って種を播いていきます。

 

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ラインマーカーという名前の通り、線を引くためのツールを使えばまだ楽にできますが、これがないとなるとロープとメジャーを使ってやることになり、大変時間がかかります。

まだ小さい面積だからなんとかなるけど、大きくやろうと思うとこれでは厳しい。

 

種を播いたら軽く土をかぶせ、後は水やりをしながら、芽が出るのを待ちます。

 

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種を播く女性たち。チテンゲがカラフル。

  

3.管理

 

土からちゃんと出てくるまでは本当に不安。

深く播きすぎたかな。

土かぶせすぎたかな。

水多すぎる?少なすぎる?

種流されてないよね?

ちゃんと稲をやってきた人ならすぐ分かることでも、素人には分からないから不安。

 

といいながら、種まき後ボツワナに行ってしまったので2週間任地を空けることに(ごめんなさい、ここは譲れなかった)、、、。

帰国後様子を見に行くと、どこも無事に生育出していて一安心。

 

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草がぼうぼうに生い茂り、稲と雑草の見分けがつかないところもあれば、そうじゃないところもあって。

今は、除草したり、肥料まいたり、様子見です。

 

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除草済とそうでないところ。

 

未経験の農家さんと取り組んでいて感じるのは、私以上に稲へのイメージがない。

もちろん稲を育てた経験もなければ、育ってるところを見たこともないので当たり前と言えば当たり前だけど。

これくらいで伝わるかなだと全く伝わっていなくて、逆に混乱させてしまったり。

だから一つひとつ細かく話す必要がある。

 

なんで棚田を作るの?

なんで1m間隔なの?

なんでばらまきじゃだめなの?

 

それから言葉だけに頼りすぎないこと。

絵に描いてみる、写真を見せる、実際にやってみせる、、、伝え方はいろいろある。

細かく話しすぎてもしょうがないけど、自分たちがやってることの先にビジョンが見えない時ほど不安になるしやる気もなくなる。

 

ただ、私が持っているのは教えてもらった知識で、経験ではないから。

後は農家さんの知識と経験に頼って、こうやったらもっと簡単にできそう、こっちの方が早いかもとか、相談しながらやっていけたらいい。

 

 

収穫まで無事にたどり着けるといいな。

 

 

 

 

読んでくださりありがとうございました。

ではでは。

 

 

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畑だけじゃない、池もマンパワー